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第2話 ゆっくり? 世界創造者

 一つ目の結界石の様子を見に行こうとすると、新ファイターのミェンミェンが魔物に襲われていた。

 何とか魔物を退け、ミェンミェンを助けたカービィ達だったが、結界石は既に破壊されてしまっていた。

 残っている結界石の様子を見に行くべく、一行は別の地方に行くのだった。


「結界石の様子見も兼ねて、新ファイターを探しに行きましょ」

「どんな人アル?」

「それは聞いてないわ……っと!」

 いきなり魔物が襲い掛かってきたため、ベルは反応できずに攻撃を受けそうになるが、ゲッコウガがすぐに処理した。

「あ、ありがとう、ゲッコウガ」

「問題ない」

 今、一行が向かっているのは、アルビオン地方。

 自然豊かで、空中スタジアムがあるのもここだ。

「テリー、ガオガエン、私が回復してあげるわ」

 そう言って、ベルは魔法試験管を使い、出来た薬をテリーとガオガエンに使った。

 もう一つ、魔法弾ができたので、ベルが持った。


「ファイターと結界石は、どこにあるのかしら」

「案外近くにあるかもしれないな」

「いたっ!」

 テリーがそう言うと、カービィが何かにぶつかってしまった。

「な、何これ……ブロック?」

 カービィがよく見ると、それはブロックだった。

 草原のように見えるが、荒っぽく見える。

 さらに、周りにはたくさんのブロックがあり、明らかに周りと浮いていた。

「こんなところにブロックなんてあったっけ?」

「さあ……」

 カービィとテリーが首を傾げると、いきなり目の前にTNT爆弾が落ちてきた。

 TNT爆弾はすぐに爆発し六人は吹っ飛ばされた。


「くぅっ……何よ、これ!」

 態勢を整え直したベルは、爆弾が飛んできた方を睨みつける。

 そこにいたのは、水色のシャツと青いズボンの男。

「じゃまは させませんよ」

「……スティーブじゃない! あんた、何しに来たのよ!」

「けっかいせきに てだしは させません」

 スティーブという男は棒読みの声を流す。

 どうやら彼は、結界石を守っているようだが、明らかにこちら側に友好的ではなかった。

「とりあえず、殴って元に戻すわよ!」

「了解!」

「いくアルヨ!」

「Are you OK?」

 カービィ、シャドウ、ベル、ミェンミェン、ガオガエン、テリーは、スティーブを正気に戻すべく、戦いを挑んだ。


「先手必勝!」

 カービィは先手を取って、スティーブを短い手で殴る。

 攻撃しようとしたスティーブの手が緩み、その隙にミェンミェンは遠くから腕を伸ばす。

「それ!」

 ベルは用意した魔法弾をスティーブに投げつけ、彼に突っ込んで大鎌で切り裂く。

 ガオガエンは腕を思いっきり叩きつけ、テリーはパワーダンクで攻撃する。

 そして、シャドウは丸まって体当たりしたが、スティーブは倒れなかった。


「な、なんてタフなの……」

「ガオガエンもテリーも攻撃が強かったアル。でも、全然応えてないネ」

 スティーブはかなり耐久力が高かった。

 みんなで何度も攻撃をしたものの、なかなか倒れる気配はない。

 だが、だからといって勝機を捨てたわけではない。

「こうなったら、全身全霊の渾身の一撃が必要ね。みんな、気を抜かないで!」

「ああ!」

「いきますよ」

 スティーブはつるはしで素材を採取し、剣を作ってベルに斬撃を繰り出した。

 攻撃を食らったベルの表情が苦痛に歪む。

「タフなだけじゃなくて、力も強いなんて……!」

「けっかいせきは わたくしが……」

「パワーゲイザー!」

 テリーが渾身の一撃を食らわせる。

 ダメージが蓄積したスティーブは、上空に大きく吹っ飛んでいった。


「とどめだ!」

「アイヤー!」

 ミェンミェンとテリーは、スティーブに渾身の一撃を加えた。

 スティーブは地面に叩きつけられ、倒れる。

 しばらくするとスティーブは完全に意識を失った。


「結界石はどうなったのかしら」

 スティーブが倒れている間に、急いで一行は結界石を探していく。

 だが、それらしきものは全く見当たらなかった。

 結界石はスティーブの近くにあるはずなのに、と思っていた時、ガオガエンが何かに気付く。

「おい、見ろよこれ!」

「何って……あぁ!?」

 ガオガエンが見たのは、結界石の欠片だった。

 この地方の結界石も、破壊されてしまったのだ。

 恐らく、スティーブと戦っている最中に、結界石が壊れたのだろう。

「そ、そんな……ここもダメだなんて……」

「……?」

 ベルが落胆していると、スティーブが起き上がり、とことことベルの方に走っていく。

「どうしました?」

「あのね、結界石が壊れちゃったのよ」

「けっかいせき? なんですか?」

「あれ? 覚えてないの?」

「なにかが わたくしに おそってきた ということ いがい おぼえていません」

 どうやらスティーブは何者かに襲われ、操られてベル達と戦ったようだ。

 結界石を知らないのも、無理はない。

「キーラとダーズに匹敵する脅威がこの世界に襲ってこないようにマスターハンドとクレイジーハンドは結界を張った。

 その結界は七つの結界石からなるもので、僕はその調査をしていたところだ。だが、今まで見つけた結界石は破壊されてしまった」

 シャドウがスティーブに事情を話すと、スティーブは腕をぶんぶん振り回した。

 彼の行動で、肯定しているという意味である。

「もうしわけありません」

「君が謝る必要はない……って、これもまた言ったな……」

「そうでしたか では わたくしも どうこうさせてください」

 なんと、スティーブが同行してくれと言った。

 もちろん、スマッシュブラザーズは承諾する。

 仲間は多くても困らないからだ。

「ありがとうございます わたくしは ワールドクラフター なんでも つくりますよ」

「改めてよろしくね、スティーブ!」


 こうして、スティーブが一行の仲間になった。

 残る結界石は後四つ、果たして守れるだろうか?

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